「家庭科で絵本を作ることになったけれど、どんなお話にしたらいいのかな」と迷っていませんか。
絵が得意ではなかったり、幼い子に伝わる言葉が思いつかなかったりすると、最初の一歩がむずかしく感じますよね。
でも、家庭科の絵本作りは、毎日の食事や着替え、家族との時間など、身近なくらしの中にある小さな出来事をヒントにすると考えやすくなります。
この記事では、中学生の家庭科で取り組みやすい絵本作りネタから、お話の組み立て方、見やすく仕上げる工夫までをやさしく紹介します。
だれに読んでもらいたい絵本なのかを考えながら、自分らしい一冊を作るヒントを見つけてみましょう。
絵が苦手でも、伝えたい気持ちを一つにしぼれば、読みやすい絵本に近づけます。
この記事でわかること
- 家庭科ですぐ使いやすい、くらしや食べ物をテーマにした絵本作りネタ
- 読む子の年齢に合わせたテーマ・主人公・短い文章の考え方
- 起承転結と6ページ・8ページの構成を使ったお話の作り方
- 絵に自信がなくても見やすく整え、家庭科の作品として丁寧に仕上げる工夫
中学生の家庭科ですぐ使える絵本作りのネタ

家庭科の絵本作りでは、毎日のくらし・食べ物・家族・季節からネタを選ぶと、考えやすくて親しみのある作品になります。
むずかしい出来事を考えなくても、身近な「できた」「うれしい」「たすけたい」という気持ちを見つければ、絵本の題材になります。
自分が絵にしたい場面を想像できるネタを選ぶと、作り始めるときに迷いにくいですよ。
食事や歯磨きを楽しく伝える生活習慣のネタ
家庭科らしさを出したいときは、食事や身の回りのことをテーマにするのがおすすめです。
毎日していることでも、動物や道具におしゃべりさせると、わくわくするお話に変わります。
| 絵本の題名の例 | ネタの内容 | 入れやすい場面 |
|---|---|---|
| はみがきこびとのキラキラたいけん | 歯ブラシの小人が、お口の中をぴかぴかにしようとがんばるお話 | 歯ブラシやコップが応援する場面 |
| にがてなにんじんのへんしん | にんじんが、おいしく食べてもらうためにいろいろな料理に挑戦するお話 | スープやカレーに変身する場面 |
| おべんとうばこのおしゃべり | おにぎりや野菜のおかずが、お弁当箱の中で仲よくすごすお話 | ふたを開けたときにみんながよろこぶ場面 |
| てあらいあわあわダンス | せっけんの泡がダンスをしながら、手洗いの時間を楽しくするお話 | 泡が雲や雪のように広がる場面 |
食べ物を主役にするときは、顔や手足をつけるだけで、かわいいキャラクターになります。
たとえば、困り顔のピーマン、いそがしいおにぎり、元気なスプーンなど、性格をつけると印象に残りやすいです。
「おいしそう」「やってみたい」と思える場面を一つ入れると、明るい雰囲気にまとまりやすくなります。
動物や食べ物が活躍する冒険のネタ
空想のお話を作りたいなら、動物や食べ物が出かける冒険のネタが使いやすいです。
主人公が何かを探したり、だれかを助けたりするだけでも、楽しい絵本らしい世界が生まれます。
- パンのくまさんが、なくなったいちごジャムを探しに行く。
- 小さなペンギンが、海に落ちた星のかけらを拾い集める。
- 野菜のなかまたちが、冷蔵庫の奥で開かれるパーティーを目指す。
- ねこのコックさんが、おなかをすかせた森の動物たちに料理を作る。
- 雨が苦手なうさぎが、葉っぱのかさを届けに行く。
冒険の場所は、森や海だけでなく、冷蔵庫の中・台所・お弁当箱の中のような身近な場所でも大丈夫です。
いつもの場所を大きな世界のように見立てると、家庭科の作品にもなじみやすくなります。
たとえば冷蔵庫の中なら、牛乳パックを山、卵ケースをホテルのように表せます。
季節や家族の温かさを描くネタ
やさしい雰囲気の絵本にしたいときは、季節の行事や家族との時間を題材にしてみましょう。
特別な事件がなくても、だれかを思う気持ちや、いっしょに過ごす楽しさが伝わる作品になります。
| 季節・場面 | ネタの例 |
|---|---|
| 春 | お花見のお弁当を作るために、動物たちが食材を集めるお話 |
| 夏 | 暑さで元気のないかき氷屋さんを、果物たちが手伝うお話 |
| 秋 | 落ち葉のじゅうたんを使って、おじいちゃんに手紙を届けるお話 |
| 冬 | 家族で作ったあたたかいスープを、雪だるまにも分けてあげるお話 |
家族をそのまま登場させるのが恥ずかしい場合は、動物の家族や人形の家族に置きかえても素敵です。
「おばあちゃんのエプロン」「お父さんの朝ごはん」「きょうだいと作るおやつ」など、思い出せる小物から考える方法もあります。
自分の身近な思い出を少し入れると、ほかの人とは違うあたたかい一冊になりやすいです。
短時間でも形にしやすいシンプルなネタ
時間があまりないときは、登場するものや場所を増やしすぎないネタを選ぶと安心です。
一つのものが変わるお話や、探しものをするお話は、アイデアを広げやすくて取り組みやすいです。
- 色が変わるくつした:白いくつしたが、洗濯できれいになってよろこぶ。
- おにぎりころころおでかけ中:おにぎりが、お弁当箱へ帰ろうとする。
- ひとりぼっちのボタン:落ちたボタンが、持ち主の服を探す。
- まほうのエプロン:エプロンをつけると、台所の道具たちがあいさつしてくれる。
- くつしたのペアさがし:片方だけになったくつしたが、同じもようの相手を見つける。
迷ったときは、家の中にある物を一つ見つけて、「もし話せたら何を言うかな」と考えてみてください。
コップ、タオル、せっけん、エプロン、冷蔵庫などは、家庭科の授業ともつながりやすい題材です。
「これなら描いてみたい」と感じるネタを選ぶことが、完成まで楽しく進めるいちばんの近道です。
対象年齢に合わせてテーマと主人公を決める

絵本は、読む子の年齢に合わせてテーマと主人公を選ぶと、ぐっと伝わりやすくなります。
1〜3歳には「見るだけでわかる身近なこと」、4〜6歳には「少し考えて応援したくなること」を選ぶのがおすすめです。
まずは、だれに読んでもらう絵本なのかを決めてから、主人公やできごとを考えてみましょう。
| 対象年齢 | わかりやすいテーマ | 主人公の例 |
|---|---|---|
| 1〜3歳 | 食べる、寝る、着替える、探す | くつした、スプーン、ねこ、ひよこ |
| 4〜6歳 | お手伝い、友だち、挑戦、思いやり | うさぎ、くま、子ども、おばけ |
1〜3歳向けは身近な物と繰り返しを取り入れる
1〜3歳くらいの子に向けるなら、毎日の生活で見かける物を題材にすると親しみやすいです。
たとえば、食べ物、服、靴、車、動物、ぬいぐるみなどは、絵を見ただけでも意味が伝わりやすいでしょう。
この年齢では、むずかしい出来事よりも、同じ言葉や動きがくり返されるお話が楽しんでもらいやすいです。
「どこかな、どこかな」「あった、あった」のように、声に出したくなる言葉を入れると、読む人と一緒に楽しめます。
- 赤いくつしたが、もう片方を探しにいく
- おなかがすいたひよこが、好きな食べ物を見つける
- ねむれないぬいぐるみが、ふわふわの布団を探す
- 小さなスプーンが、おいしいスープを運ぶ
主人公は、一つだけの気持ちをはっきり持たせるとわかりやすくなります。
「探したい」「食べたい」「遊びたい」「寝たい」など、気持ちはシンプルで大丈夫です。
色や形も、丸い顔のねこ、大きな黄色いバス、しましまのくつしたのように、ひと目で見分けられる特徴をつけてみてください。
登場人物や物を増やしすぎず、主人公を一人か二人にすると、幼い子もお話を追いやすくなります。
4〜6歳向けは小さな問題と成長を描く
4〜6歳くらいの子には、主人公がちょっと困って、工夫しながら前に進むお話が向いています。
大きな事件でなくても、「お手伝いを失敗した」「友だちに声をかけられない」「大事な物が見つからない」といった小さな困りごとで十分です。
読んでいる子が「どうするのかな」と気になり、最後に主人公を応援したくなる流れを考えるとよいでしょう。
| 小さな問題 | 主人公の行動 | 伝わりやすい気持ち |
|---|---|---|
| おにぎりの形がくずれた | やさしくにぎり直す | あきらめずにやってみる |
| 友だちが元気がない | 好きな花を渡す | 相手を思いやる |
| ボタンが取れてしまった | 大人に手伝ってもらう | 助けを求める |
| 雨で外遊びができない | 家の中で遊びを考える | 工夫して楽しむ |
ここで大切なのは、主人公を最初から何でもできる子にしないことです。
少し失敗したり、迷ったりする場面があると、読んだ子が自分の気持ちを重ねやすくなります。
最後は「できた」「よかった」「ありがとう」と思える明るい終わり方にすると、読み終えたあともあたたかい気持ちが残ります。
困りごとは一つだけにすると、短い絵本でも内容が伝わりやすくなります。
幼児が親しみやすい動物やキャラクターを選ぶ
主人公に迷ったら、表情や動きを想像しやすい動物を選ぶと描きやすくなります。
うさぎ、くま、ねこ、いぬ、ひよこ、りすなどは、やさしい雰囲気を出しやすく、幼児にも親しまれやすい存在です。
動物に人のような気持ちや行動をさせると、お話の世界を自由に広げられます。
たとえば、りすがお弁当を作ったり、くまが洗濯物をたたんだりすると、生活に関わるテーマも楽しく表せます。
- 耳が大きいうさぎ:うれしい時に耳がぴんと立つ
- 丸いくま:のんびりしていて、お菓子作りが好き
- 小さなねこ:好奇心いっぱいで、何でものぞいてみる
- ひよこ:まだ小さいけれど、お手伝いをしてみたい
キャラクターには、見た目の特徴だけでなく、好きなことや苦手なことを一つ決めると個性が出ます。
ただし、設定を細かく増やしすぎる必要はありません。
「だれが、何をしたいお話か」がすぐにわかる主人公なら、読む子も物語に入り込みやすいです。
対象年齢を思い浮かべながら、「この子なら笑ってくれるかな」と考えて選んだ主人公は、きっとやさしい一冊の案内役になってくれます。
伝えたいことを一つに絞ると物語がまとまる

絵本作りでは、読んだ子に一番伝えたいことを一つだけ決めると、お話がわかりやすくまとまります。
「手洗いも大切」「好き嫌いもしない」「早く寝よう」など、たくさん入れたくなっても、一冊では一つのメッセージにしぼるのがおすすめです。
最後にどんな気持ちになってほしいかを考えてから、出来事や絵を選んでいくと、やさしく伝わる絵本になります。
たとえば「野菜を食べてみよう」がテーマなら、野菜の名前をたくさん覚えさせるお話にするより、「苦手だった野菜をひとくち食べられた」という出来事にすると、気持ちが伝わりやすくなります。
伝えたいことが決まっていると、必要のない場面を減らせるため、短いページ数でも読みやすい作品に仕上がります。
| 伝えたいこと | お話にしやすい出来事 |
|---|---|
| 食べることを楽しんでほしい | 初めて食べた料理のおいしさに気づく |
| お手伝いはうれしいと感じてほしい | 家族と一緒に準備をして、ありがとうと言われる |
| 片づける気持ちよさを知ってほしい | 散らかった部屋がすっきりして遊びやすくなる |
| あいさつを大切にしてほしい | あいさつをしたら新しい友達ができる |
食育や生活習慣は楽しい出来事の中で伝える
家庭科らしいテーマを選ぶなら、食事、身じたく、手洗い、片づけ、お手伝いなどを題材にできます。
ただし、「こうしなければいけません」と説明するだけでは、絵本らしい楽しさが出にくくなります。
大切なことは、主人公が楽しい出来事を通して気づく形にすることです。
たとえば手洗いがテーマなら、「手を洗おう」という言葉をくり返すより、外遊びのあとに手を洗って、おやつを気持ちよく食べる場面を描くと自然です。
食育をテーマにするなら、畑で野菜を見つける、料理のにおいにわくわくする、家族と食卓を囲むなど、楽しい場面を中心に考えてみましょう。
- おにぎりを作って、遠足で食べる
- にがてな野菜を小さく切って、料理に入れてみる
- 靴下をそろえたら、朝の準備が早くできる
- おもちゃを片づけたら、探していたぬいぐるみが見つかる
- 「いただきます」を言ったら、食卓がにこにこになる
生活の習慣そのものを主役にするのではなく、そのあとに起こるうれしい変化を描くと、読む子が自分の毎日と重ねやすくなります。
幼児に感じてほしい気持ちからテーマを選ぶ
テーマに迷ったときは、「何を教えるか」ではなく、読み終わった子にどんな気持ちを残したいかから考える方法もあります。
「自分もやってみたい」「家の人が好き」「できてうれしい」と思えるお話は、幼児に親しみを持ってもらいやすいです。
気持ちを先に決めると、伝えたいことがぶれにくくなり、言葉や絵の雰囲気もそろえやすくなります。
| 感じてほしい気持ち | 選びやすいテーマ |
|---|---|
| やってみたい | 料理、洗濯物たたみ、買い物のお手伝い |
| できてうれしい | ボタンを留める、靴をそろえる、野菜を食べる |
| だれかにやさしくしたい | 食べ物を分ける、困っている人を手伝う |
| 家族と過ごす時間が楽しい | 朝ごはん作り、おやつの準備、休日の片づけ |
たとえば「できてうれしい」を選んだなら、小さな失敗があっても最後に自分でできるようになる流れが合います。
「家族と過ごす時間が楽しい」を選んだなら、特別な出来事よりも、一緒にごはんを作るような身近な場面がぴったりです。
二つの題材を組み合わせて自分らしいネタにする
よくある題材でも、二つの身近なものを組み合わせると、自分らしい絵本のネタになります。
組み合わせるときも、伝えたいことは一つのままにして、題材を増やしすぎないことが大切です。
たとえば「料理」と「季節」を合わせて、お月見だんごを作るお話にすれば、食べる楽しさや家族との時間を表せます。
- お弁当作り × ピクニック
- 洗濯物 × 風の強い日
- 野菜づくり × 動物との出会い
- 片づけ × 宝探し
- 朝の身じたく × はじめてのお出かけ
「片づけ × 宝探し」なら、部屋を片づけていたら大切な思い出の品が見つかる、という楽しい展開にできます。
「洗濯物 × 風の強い日」なら、飛ばされそうな靴下を追いかけながら、干すことやたたむことに親しむお話が考えられます。
思いついたネタは、一言で説明できるかを確かめてみましょう。
「〇〇が、△△して、最後に□□と思うお話」と短く言えたら、伝えたいことが整理できている目印です。
起承転結を使って簡単なストーリーを作る

絵本のストーリーは、「はじまり・できごと・解決・おわり」の順に考えると、初めてでも作りやすくなります。
家庭科の絵本では、むずかしい事件をたくさん入れなくても、主人公が小さな困りごとを乗りこえて笑顔になる流れにすると、読みやすくあたたかいお話になります。
一つの目的と一つの困りごとを決めて、起承転結に当てはめてみましょう。
| 流れ | 入れる内容 | お弁当作りのお話の例 |
|---|---|---|
| 起 | 主人公と目的を紹介する | くまのくうちゃんは、お母さんのためにお弁当を作りたいと思いました。 |
| 承 | 目的に向かって行動する | くうちゃんは、ごはんをつめて、にんじんを切るお手伝いをしました。 |
| 転 | 小さな困りごとが起こる | ところが、おにぎりがころんとお皿から落ちてしまいました。 |
| 結 | 工夫して、ほっとする終わり方にする | くうちゃんは丸いおにぎりを作り直して、にこにこお弁当を完成させました。 |
主人公と目的を最初に決める
物語の最初には、「だれが」「何をしたいのか」をはっきり書きます。
読み手の幼児がすぐにお話へ入れるように、主人公は動物や子どもなど、気持ちを想像しやすい存在にするとよいでしょう。
目的は、「おやつを作りたい」「お部屋をきれいにしたい」「家族をよろこばせたい」のように、身近でわかりやすいものがおすすめです。
主人公の目的が決まると、そのあとに起こるできごとも考えやすくなります。
- うさぎのももちゃんが、おばあちゃんにあたたかいお茶をいれたいと思う。
- ねこのにゃんたが、散らかったおもちゃを自分で片づけたいと思う。
- ゆうくんが、家族みんなで食べるサンドイッチを作りたいと思う。
はじまりの場面では、主人公の気持ちも一言入れると、物語に親しみが出ます。
たとえば「おばあちゃん、よろこんでくれるかな」のように書くと、主人公ががんばる理由が伝わります。
途中に一つだけ困りごとを入れる
お話の真ん中には、主人公が少し困る場面を一つ入れると、最後まで読みたくなる流れが作れます。
ただし、困りごとは大きくしすぎず、主人公が工夫や手伝いで解決できる内容にしましょう。
幼児向けの絵本では、次のような小さなできごとが使いやすいです。
- 作ったものが少しこぼれてしまう。
- 必要な道具が見つからない。
- 風が吹いて、洗濯物がゆらゆら揺れる。
- 野菜が苦手で、なかなか食べられない。
- 片づける物が多くて、ひとりでは大変に感じる。
困りごとが起きたあとに、「どうしよう」と主人公が考える場面を入れると、気持ちの変化が表せます。
そのあとで家族や友達がヒントをくれたり、主人公が自分でやり方を変えたりすると、自然な解決につながります。
困りごとは一つで十分なので、新しい出来事を次々に足さないことが、まとまりのある絵本にするコツです。
最後は幼児が安心できる結末にする
結末では、主人公の目的がかなったことと、うれしい気持ちをわかりやすく伝えましょう。
読み聞かせのあとに、幼児が「よかったね」と思える終わり方にすると、あたたかい印象が残ります。
たとえば、お弁当が完成する、部屋がすっきりする、家族が笑顔になるなど、最初の目的につながる結末がぴったりです。
「できた」「ありがとう」「おいしいね」といった短い言葉を最後に入れると、場面が明るくまとまります。
主人公が最初より少し自信をつけている様子を書くのもおすすめです。
「ひとりでもできたよ」「次はもっと上手にできそう」といった言葉は、がんばった気持ちをやさしく表せます。
繰り返しの展開で読み聞かせを楽しくする
絵本には、同じ言葉や行動を繰り返す場面を入れると、幼児が内容を覚えやすくなります。
読む人と聞く人が一緒に声に出せるような言葉があると、読み聞かせの時間がもっと楽しくなります。
たとえば、料理をするお話なら「まぜまぜ、くるくる」、片づけのお話なら「ぽいぽい、ここだよ」のような表現が使えます。
主人公が何かを探すお話なら、「どこかな、どこかな」を何回か登場させてもよいでしょう。
繰り返しは多くても二~三回ほどにすると、くどくならず、気持ちよいリズムになります。
起承転結の流れに短い繰り返しを加えることで、わかりやすさと楽しさの両方を持った絵本に仕上げやすくなります。
6ページと8ページの基本構成に当てはめる

絵本は、先にページ数を決めてから場面を割り振ると、途中で内容が足りなくなったり、急に終わったりしにくくなります。
6ページならシンプルに、8ページなら気持ちや出来事を少しずつ見せるようにすると、読みやすい流れに整います。
ただし、学校の課題によって「表紙をページ数に入れるかどうか」が異なるため、まずは先生の指示を確認してみましょう。
| ページ数 | 向いている作り方 | 仕上がりの印象 |
|---|---|---|
| 6ページ | 大切な場面だけを選ぶ | 短くてわかりやすい |
| 8ページ | 途中の出来事や気持ちを足す | ゆっくり楽しめる |
6ページは登場・行動・困りごと・解決でまとめる
6ページの絵本では、場面を増やしすぎず、主人公に起こる大事な出来事を4つほどにしぼるのがコツです。
最初に主人公を見せて、何をするのかを伝え、少し困る場面を入れたあと、最後に解決へつなげます。
1ページに一つの場面と考えると、絵を描く内容も決めやすくなります。
| ページ | 入れる内容の例 |
|---|---|
| 1ページ目 | 主人公と場所を紹介する |
| 2ページ目 | 主人公がやりたいことを見つける |
| 3ページ目 | 行動を始める |
| 4ページ目 | うまくいかずに困る |
| 5ページ目 | 助けや工夫を見つける |
| 6ページ目 | できたことやうれしい結末を描く |
たとえば、主人公が落とし物を届けるお話なら、最初に落とし物を見つけて、持ち主を探し、なかなか見つからず、最後に渡せた場面へ進められます。
途中のページが思いつかないときは、主人公が「見つける」「運ぶ」「探す」など、目的に近づく行動を一つ入れてみてください。
6ページでは、説明を増やすよりも、結末までの道すじをはっきりさせることが大切です。
8ページは冒険や気持ちの変化を少し丁寧に描く
8ページある場合は、6ページの流れに二つの場面を加えるイメージで考えると、無理なく広げられます。
増やす場面は、主人公が出発する前の気持ちや、困ったあとに考える時間にすると、物語が自然につながります。
同じ出来事を細かく分けるのではなく、気持ちが変わるきっかけを一場面として描くのがおすすめです。
| ページ | 場面の役割 |
|---|---|
| 1ページ目 | 主人公といつもの様子 |
| 2ページ目 | やってみたいことや目標 |
| 3ページ目 | 出発や最初の行動 |
| 4ページ目 | 途中で出会う出来事 |
| 5ページ目 | 困りごとや迷う気持ち |
| 6ページ目 | 考え直すきっかけ |
| 7ページ目 | 工夫して行動する場面 |
| 8ページ目 | 結果と最後の気持ち |
8ページなら、主人公が最初は不安だったのに、誰かとのやり取りや自分の工夫を通して前向きになる様子も入れられます。
ページが増えたからといって、登場人物や出来事をたくさん足す必要はありません。
一つの出来事を少しゆっくり見せるほうが、読む人にも主人公の気持ちが伝わりやすくなります。
表紙から結末までを下書きで確認する
絵を描き始める前に、表紙から最後のページまでを小さな四角で並べた下書きを作りましょう。
これは、ページごとの内容を見渡すための簡単な設計図になります。
ノートや紙に、必要なページ数の四角を描き、それぞれに「だれがいるか」「何が起こるか」を短くメモすれば大丈夫です。
- 表紙に題名と主人公のイメージを書く。
- 各ページに場面の内容を一言ずつ書く。
- 最初の場面と最後の場面がつながっているかを見る。
- 同じような場面が続いていないかを確かめる。
- 絵にしたときに違いが出るかを考える。
下書きを見て、あるページだけ内容が多すぎると感じたら、前後のページに分けたり、思い切って一部を省いたりしましょう。
反対に何も起こらないページがあれば、主人公の表情や周りの様子が変わる場面にすると、ページをめくる楽しさが生まれます。
完成前に全ページの流れを確認することで、読み終わったときにすっきりした絵本に近づけます。
幼児に伝わる短い文章と絵の組み合わせ方

幼児向けの絵本では、短い文章を使い、絵を見ただけでも場面が分かるようにすることが大切です。
難しい言葉を減らし、同じ音や言葉を楽しく繰り返すと、読んでもらう子もお話に入りやすくなります。
文章は気持ちや大事な出来事を伝え、絵は表情や周りの様子を見せるように分けて考えてみましょう。
一文を短くして分かりやすい言葉を使う
幼児は、長い文章を一度に聞くと、途中で内容が分かりにくくなることがあります。
一つの文には、一つの出来事や気持ちだけを入れると、すっと伝わります。
たとえば、「うさぎのミミは、おなかがすいたので、にんじんをさがしに森へ出かけました」という文は、少し情報が多めです。
「ミミの おなかが ぐうぐう。」
「にんじんを さがしに いこう。」
このように分けると、絵本を読んでもらう子が場面を思い浮かべる時間も作れます。
言葉は、普段の会話で使うような、やさしいものを選ぶのがおすすめです。
| 少し難しく感じやすい表現 | 幼児に伝わりやすい表現 |
|---|---|
| 喜びました | にこにこ した |
| 急いで走りました | びゅーんと はしった |
| 悲しい気持ちでした | しょんぼり した |
| 発見しました | みーつけた |
ただし、すべてを幼い言葉にする必要はありません。
絵本の中で一つだけ新しい言葉を使い、その意味が絵から伝わるようにする方法もあります。
たとえば、大きな木を見上げる絵に「りっぱな けやきの木」と書けば、知らない言葉でも木の立派さを感じ取りやすくなります。
声に出して読んで、一息で言いにくい文は短く直すと、読み聞かせしやすい文章になります。
声に出したくなる音や繰り返しを加える
幼児向けの絵本では、音が聞こえてくるような言葉があると、楽しい雰囲気を作れます。
「ぽつぽつ」「わくわく」「とことこ」などの言葉は、動きや気持ちを短く表せます。
雨が降る場面なら、「ぽつん。」
「ぽつぽつ。」
「ざあざあ。」
というように、雨音が変わっていく様子を言葉で見せることもできます。
また、同じ言葉を繰り返すと、読む子が次の言葉を予想しながら楽しめます。
- 「どこかな、どこかな、あかい ぼうし。」
- 「まだかな、まだかな、おひさま。」
- 「よいしょ、よいしょ、あと ちょっと。」
繰り返しは、お話の中で主人公が何度も挑戦する場面や、何かを探す場面によく合います。
同じ言葉でも、絵の中の表情や状況を少しずつ変えると、飽きにくくなります。
たとえば最初は元気な「よいしょ」でも、途中では困った顔の「よいしょ」、最後はうれしそうな「よいしょ」にできます。
言葉の繰り返しは、物語を覚えやすくするだけでなく、読む人と聞く人が一緒に声を出せるきっかけにもなります。
文章で説明しすぎず絵にも役割を持たせる
絵本では、文章に書かれていないことを絵で伝えられます。
そのため、「ミミは赤いかさを持って、青い長ぐつをはいて、黄色い花がたくさん咲いている道を歩いています」と、見たままを全部説明しなくても大丈夫です。
文章は「ミミは るんるん おさんぽ。」だけにして、かさや長ぐつ、花は絵で見せるほうが、ページ全体を楽しめます。
絵に任せやすい内容と、文章で伝えたい内容を分けると、すっきりしたページになります。
| 絵で見せやすいこと | 文章で伝えやすいこと |
|---|---|
| 主人公の服や持ち物 | 主人公のひとこと |
| 表情や体の動き | 心の中の気持ち |
| 天気や場所の様子 | 場面で一番伝えたい出来事 |
| 後ろにいる小さな動物 | 次の場面への期待 |
特に、主人公の顔は大切な情報になります。
「だいじょうぶかな」と書かなくても、眉を下げた顔や、小さく丸まった体を描けば、不安そうな気持ちは伝わります。
反対に、最後に笑顔を大きく描けば、短い言葉でも明るい終わり方になります。
絵のすみに小さな動物やお気に入りの物を毎回入れると、読んだ子が「ここにいた」と見つける楽しみも生まれます。
文章を減らすことは、手を抜くことではありません。
読む子が絵を見て考えたり、自由にお話をふくらませたりできる余白を作ることが、絵本らしい魅力につながります。
絵が苦手でも見栄えよく仕上げる工夫

絵に自信がなくても、形・色・素材のルールをそろえるだけで、絵本はぐんと見やすく仕上がります。
上手に細かく描こうとするよりも、だれが見ても分かる形と、ページごとの統一感を大切にするのがおすすめです。
自分にできる描き方を最初に決めて、最後まで続けることが、完成度を上げる近道になります。
形を単純にしてキャラクターの描き方をそろえる
主人公は、丸・三角・四角などの簡単な形を組み合わせると描きやすくなります。
たとえば、顔は丸、耳は小さな三角、体は大きめのしずく形のように決めておけば、どのページでも同じ主人公に見えます。
目の大きさや口の形、ほっぺの位置も、最初に決めたらなるべく変えないようにしましょう。
下書き用の紙に主人公を何回か描き、いちばん描きやすかった形を「見本」にすると安心です。
| パーツ | 簡単に決める例 |
|---|---|
| 顔 | まんまる、または横長の丸 |
| 目 | 黒い点、または小さな丸 |
| 口 | 短い線、にっこりした半円 |
| 手足 | 太さをそろえた線 |
| 服や目印 | いつも同じ色のぼうしやリボン |
主人公だけでなく、木や雲、花などの背景も同じ形でくり返すと、絵本全体にまとまりが出ます。
少しくらい線がゆれていても、形のルールがそろっていれば、手作りらしいやさしい雰囲気になります。
使う色を絞って大切な部分を目立たせる
たくさんの色を使うより、主な色を三〜四色ほどに絞ると、ページがすっきり見えます。
主人公の色、空や地面の色、特に見せたい物の色を先に決めると、迷いにくくなります。
たとえば、青・黄・白を基本の色にして、主人公が見つける大事な花だけを赤にすると、その花に自然と目が向きます。
毎ページを同じ色で塗りつぶす必要はありませんが、どこかに共通する色を入れると、物語の世界がつながって見えます。
- 主人公には、いつも同じ色の服や持ち物を使います。
- 背景は薄い色や白い部分を残して、主人公を見つけやすくします。
- 一番大切な物や場面だけに、明るい色を使います。
- 色鉛筆、クレヨン、絵の具などは、できるだけ同じ画材でそろえます。
色を塗るときは、ページのすみからすみまで埋めなくても大丈夫です。
白い部分があると、絵や言葉が見やすくなり、読む子の目も休みます。
折り紙や切り絵で画面に変化をつける
絵を描く代わりに、折り紙や色紙を切って貼ると、形がはっきりした楽しいページになります。
丸く切った紙を顔にしたり、三角の紙を山や屋根にしたりすると、複雑な絵を描かなくても場面を作れます。
柄のある紙を服やカーテンに使うと、少ない作業でも画面に変化が出ます。
紙を貼る前に、机の上で並べて配置を決めると、貼り直しが減ってきれいに仕上がります。
- 背景になる紙をページより少し小さく切ります。
- 主人公や小物の形を別の紙で作ります。
- のりを少なめに広げて、端まで丁寧に貼ります。
- 乾いてから、ペンで目や模様などの細部を足します。
折り紙をちぎって貼る方法も、雲や草、海の波を表すのに向いています。
ちぎった紙のふわふわした端は、手描きとは違うあたたかさを出してくれます。
フェルトや布で触って遊べる仕掛けを作る
フェルトや布を一部分に使うと、見た目だけでなく、指で触れたときの違いも楽しめる絵本になります。
たとえば、動物のしっぽ、雲、洋服、ふとんなどをフェルトにすると、場面に合ったやわらかい印象を作れます。
布のポケットを貼って、中から手紙や小さな絵が見える仕掛けにするのも素敵です。
ただし、仕掛けは多くしすぎず、物語の中で特に見せたい一場面に一つくらいにすると、まとまりやすくなります。
小さな飾りは、使う相手に合わせてしっかり固定し、外れにくい作りを意識しましょう。
ページをめくりやすいように、厚みのある素材は中央部分よりも端に寄せて貼ると扱いやすくなります。
描く・貼る・切るといった方法を組み合わせれば、自分らしい絵本の世界を作れます。
大切なのは難しい絵を完成させることではなく、読む子が主人公や場面を見つけやすい工夫を重ねることです。
家庭科の作品として評価につながる仕上げ方

家庭科の絵本は、絵の上手さだけでなく、読む相手を考えて、使いやすく丁寧に作れているかが大切なポイントになります。
提出前には、ねらい・安全性・読みやすさ・実際に読んだときの分かりやすさを順番に確認すると、自信をもって仕上げられます。
対象年齢と制作のねらいをはっきりさせる
作品を見た人に伝わりやすくするために、表紙の裏や最後のページなどに、対象年齢と制作のねらいを短く書いておくとよいでしょう。
たとえば「3〜4歳くらいの子が、あいさつの大切さに気づけるように作りました」のように書くと、どんなことを考えて制作したのかが伝わります。
ねらいは難しい言葉で長く書く必要はありません。
「食べ物を大切にする気持ちを伝えたい」「友だちと仲よくする場面を考えた」など、絵本の内容とつながる一文にまとめるのがおすすめです。
| 書くこと | まとめ方の例 |
|---|---|
| 読む相手 | 幼稚園くらいの子ども |
| 伝えたいこと | 順番を守ることの大切さ |
| 工夫した点 | 短い言葉と大きな絵で分かりやすくした |
こうした説明は、作品の後ろに「絵本を作って工夫したこと」として小さくまとめても見やすいです。
自分が考えた工夫を言葉にすることで、制作の過程まで伝えやすくなります。
安全性とページのめくりやすさを確認する
小さな子どもが手に取ることを考えて、けがをしにくく、安心して扱いやすい形に整えることも大切です。
紙の角がとがっている場合は少し丸く切り、ページの端からテープや紙がはみ出していないかを確認しましょう。
表紙やページが外れそうなところは、提出前にもう一度確かめておくと安心です。
ページをめくったときに貼った部分が引っかからないか、最後までスムーズに開けるかも見てみましょう。
- 紙の角が手に当たりにくい形になっているか。
- ページを開いたり閉じたりしても、貼った部分が浮いてこないか。
- ページ番号や文章が、手で持つ場所にかかっていないか。
- 表紙から最後のページまで、順番どおりに読めるか。
特別な仕掛けがある場合は、何度か動かしてみて、読む流れを止めずに楽しめるかを確認するとよいでしょう。
見た目の楽しさと扱いやすさの両方を考えることが、家庭科らしい作品づくりにつながります。
文字の読みやすさと作品の丁寧さを整える
文章は、読む人がすぐに見つけられる位置に置き、絵の上に重なりすぎないようにすると読みやすくなります。
文字が小さすぎるページや、背景の色と文字の色が似ているページは、少し離れて見たときにも読めるか確認しましょう。
特に、ひらがなの「さ」「き」「ぬ」などは、急いで書くと形が分かりにくくなることがあるため、ゆっくり丁寧に書くことが大切です。
書き間違いを見つけたときは、無理に塗りつぶすよりも、同じ色の紙を小さく貼って書き直すと、すっきり見えやすくなります。
丁寧さは、細かいところのそろい方に表れます。
表紙の題名、ページ番号、文章の位置などをそろえると、全体にまとまりのある印象になります。
のりのはみ出しや消しゴムのかす、下書きの線が残っていないかも、明るい場所で見直してみましょう。
読み聞かせをして分かりにくい部分を直す
提出前に一度声に出して読み聞かせをすると、文章の長さや場面のつながりを確かめやすくなります。
家族や友だちに読んでもらい、「どんなお話だったか」「好きだったページはどこか」を聞いてみるのもよい方法です。
聞いた人が主人公の気持ちや出来事を理解できていれば、伝えたいことが届いていると考えられます。
もし途中で言葉につまったり、ページを戻ったりした場合は、そのページの文字や絵を見直すヒントになります。
- 表紙を見て、どんなお話か想像できるか確認します。
- 最初から最後まで声に出して読みます。
- 読みにくい言葉や長い文章に印をつけます。
- 絵だけを見ても場面が伝わるか確かめます。
- 直したあとに、もう一度最後まで読みます。
全部を大きく作り直さなくても、一言を短くしたり、矢印や表情を足したりするだけで伝わりやすくなることがあります。
読む相手の目線で最後まで見直した絵本は、工夫や思いやりが伝わる、あたたかい家庭科の作品になります。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- 毎日のくらしや食べ物、家族、季節から身近なネタを探す
- 読む子の年齢に合わせてテーマと主人公を決める
- 絵本で一番伝えたいことは一つにしぼる
- 「はじまり・できごと・解決・おわり」でお話を組み立てる
- 6ページや8ページに場面を先に割り振る
- 幼児向けには短い文章と分かりやすい絵を組み合わせる
- 形や色のルールをそろえると、絵が苦手でも見やすくなる
- 対象年齢やねらい、読みやすさを確認して丁寧に仕上げる
家庭科の絵本作りは、すごく特別な出来事を考えなくても大丈夫です。
「朝ごはんを食べられた」「ひとりで手を洗えた」「だれかを手伝えてうれしい」など、毎日の中にある小さな気持ちが、すてきなお話の種になります。
まずは、だれに読んでほしいかと、一番伝えたいことを一つ決めてみましょう。
ページごとに場面を分けて、短い言葉とやさしい絵を少しずつ入れていけば、あなたらしい一冊に近づきます。
完ぺきを目指しすぎず、読む子が笑顔になる場面を思いうかべながら、楽しんで作ってみてくださいね。

