靴のクリーニング剤の使用において、色落ちを避ける方法や、
以前塗った靴クリームやワックスを効果的に取り除く方法についての疑問に答えます。
また、おすすめのクリーニング剤も紹介します。
靴クリーニング剤は、古いクリームやワックス、その他の汚れを、
効果的に除去するために欠かせないアイテムです。
しかし、誤った使い方をすると靴を傷めたり、色落ちさせる可能性があります。
靴のクリーニングを始めてから約5年が経ちますが、最初は使い方を間違え、
部分的に色落ちを経験したこともあります。
失敗を重ねることで、靴を傷めずに汚れを落とす正しい方法を学びました。
この記事を読むことで、次のことが理解できるでしょう。
- クリーニング剤の正しい使い方
- 使用する際の注意点
- おすすめのクリーニング剤
靴クリーニングのプロも言う通り、汚れを取り除く工程は、
靴の手入れにおいて非常に重要です。
【靴の手入れ】クリーニング剤の基本特性
クリーニング剤は靴の表面の汚れを効果的に除去するために、必要不可欠なアイテムです。
布にクリーニング剤を取り、靴の表面の汚れや油分、
古いクリームやワックス、汗の塩分などを拭き取ることができます。
このような製品は「リムーバー」としても知られています。
以下は靴の手入れに使う他のアイテムとの役割の違いです。
- 靴クリーム
- 栄養供給と色の補正
- ワックス
- 防水効果と艶出し
- クリーニング剤
- 古いクリームやワックスを除去する
クリーニング剤を使わずに新しいクリームを重ねると、
以前のワックスやクリームが、新しいクリームの浸透を妨げるなどの問題が生じることがあります。
これらの問題を防ぐためにも、定期的に靴をクリーニングする必要があります。
革靴のクリーニングには、主に液体タイプと固形タイプのクリーナーがあります。
液体タイプ
液体タイプのクリーニング剤は「水性」の汚れに特に効果的です。
主な水性の汚れには、靴クリーム、汗の塩分、飲み物、泥水などがあります。
一般的には、液体タイプのクリーニング剤が多く使われています。
固形タイプ
固形タイプのクリーニング剤は「油性」の汚れに強いです。
固形タイプは、特に古いワックスを効果的に溶かして除去するのに適しています。
主な油性の汚れにはワックス、ドレッシング、ソースやたれ、ラーメンのスープなどがあります。
『液体』と『固形』どちらを使うべきか?
結局、液体クリーニング剤と固形クリーニング剤のどちらを選ぶかについては、
それぞれのクリーナーで効果的に除去できる汚れが異なるため、
使用するシチュエーションに応じて選ぶのがベストです。
固形クリーナーで汚れを落とした後に液体クリーナーで拭き取ると、
油性と水性の両方の汚れを除去できます。
靴磨きを始めたばかりの頃は、ワックスを厚塗りすることが少ないため、
初めに液体クリーナーを使い、その後に固形クリーナーを追加して、
状況に応じたクリーニングが可能です。
クリーナー使用時の注意点
クリーナーを使用する際は、液体クリーナーであれ固形クリーナーであれ、
強く擦ることを避けましょう。
これらの製品に含まれる溶剤は汚れを落とす効果がありますが、
擦り過ぎると革に負担がかかり、塗装が剥がれる恐れがあります。
特に洗浄力が低いクリーナーの場合、汚れが落ちにくいため、
つい力を入れがちですが注意が必要です。
クリーナーを使用する際は、力を入れずに表面を軽く撫でるようにしましょう。
汚れが落ちにくい場合は、より強力なクリーナーに切り替えるのが良いでしょう。
クリーナーの使い方
クリーナーは、靴のブラッシングを馬毛ブラシで行った後に使用します。
クリーニングのプロセスは以下の手順に従います:
- 馬毛ブラシでブラッシング
- クリーナーで汚れを落とす
- 靴クリームで栄養補給
- 豚毛ブラシでさらにブラッシング
- 布で余分なクリームを拭き取る
- ワックスで仕上げる
- 山羊毛ブラシで磨き上げる
- 水研ぎ
汚れ落としには「シーチング」という粗い表面の布を使用し、
磨き作業には異なるタイプの布を使用します。
また、不要になったTシャツなどもクリーナーの布として代用できます。
固形クリーナーで油性の汚れを落とす
油性の汚れは固形クリーナーで先に対処します。
クリーナーを使用する際は、布を指に巻いてから汚れを拭き取ることが推奨されます。
クリーニングを始める際には、目立たないカカトやサイド部分から始め、
次に甲や目立つ部分に進むのが理想的です。
少量ずつクリーナーを取り、足りなくなったら補充する方法で靴を磨きます。
液体クリーナーで水性の汚れを落とす
水性の汚れには液体クリーナーが適しています。
使用する前には必ず容器をよく振ってから布に少量を取り、
力を入れずに拭き取ります。
始める場所は目立たないカカトやサイド部分からで、
問題がなければ靴全体を磨き上げます。
汚れを完全に落とすのではなく、80~90点の仕上がりを目指して効率的にクリーニングしましょう。
クリーナーの多目的な活用法
クリーナーは、靴の汚れを取る基本的な使用法以外にも、
様々な清掃活動で意外な効果を発揮することがあります。
特に、鏡面を磨いた後のワックスが指に付着した場合、
それを簡単に取り除くことができます。
方法は以下の通りです:
- クリーナー液を含ませた布を用意します。
- 汚れた指を布で軽くこすってワックスを拭き取ります。
これだけで、指のワックスを綺麗にすることができます。
これまでに様々な洗剤や専用ソープを試してみましたが、
この簡単な方法が最も効果的であることがわかりました。
推薦するクリーナーの紹介
液体クリーナーと固形クリーナーをそれぞれ紹介します。
液体クリーナー
おすすめする液体クリーナーは以下の3種類です:
- スティンリムーバー
- ツーフェイスプラスローション
- レーダーオイル
スティンリムーバー
M.モゥブレィが製造するスティンリムーバーは、
手ごろな価格で様々なサイズがあります。
水性タイプなので、革製品に深く浸透し、根深い汚れを効果的に取り除きます。
革に優しく、使用後のべたつきも少ないのが特徴です。
靴の汚れ除去に最適で、初心者にも扱いやすいクリーナーです。
ワックスを厚く塗った場合は、油性の汚れに強い固形クリーナーと併用することをお勧めします。
ツーフェイスプラスローション
コロンブスの「Boot Black」シリーズからの製品で、
油性と水性の汚れに対応するハイブリッドタイプのクリーナーです。
2層に分かれた液体を容器を振って混ぜ合わせることで、
あらゆる種類の汚れを効果的に落とすことができます。
レーダーオイル
ドイツのTAPIR製の製品で、全成分が公開されているため、安心して使用できます。
このクリーナーは、汚れを落とすだけでなく、
栄養を補給し、防水効果や艶出しも同時に行うことができます。
固形クリーナー
おすすめする固形クリーナーは以下の2つです:
- ハイシャインクリーナー
- THE CLEANER
ハイシャインクリーナー
コロンブス製のハイシャインクリーナーは、鏡面磨き専用で、
ワックスが厚塗りされた部分も簡単に除去できます。
鏡面磨きの落とし作業を容易にし、長年の使用者からも高い評価を受けています。
THE CLEANER
「Brift H」が販売するTHE CLEANERは、特に厚塗りしたワックスを、
簡単に溶かしながら拭き取ることができる固形クリーナーです。
靴以外の革製品にも使用可能で、多用途にわたる汚れ除去に適しています。
その他のクリーナー
特に頑固な汚れを落とす際に役立つクリーナーとして、
レノマットリムーバーとリグロインを紹介します。
レノマットリムーバー
特に頑固な汚れに効果的なレノマットリムーバーは、
革に浸透した汚れや塩分、カビを効果的に除去します。
ただし、使用後は革が乾燥するため、適切な栄養補給が必要です。
リグロイン
リグロインは非常に強力なクリーニング効果を持ち、
特に油性の汚れに対して高い効果を発揮します。
使用には注意が必要で、特にワックスが厚塗りされた部分に最適ですが、
誤って他の部分に使用すると下地の塗装を剥がしてしまう可能性があります。
まとめ
- クリーナーの種類と使用法
-
- クリーナーには固形と液体の2つの形態があります。
- 油性汚れや水性汚れに応じて適切なクリーナーを選ぶことが大切です。
- 効果的な清掃のためには、固形と液体のクリーナーを併用することを推奨します。
- 汚れを100%取り除こうとすると逆効果になる場合があるため、80%から90%の清掃率を目指すのが理想です。
汚れ除去は、他の清掃作業に比べて軽視されがちですが、
その重要性は非常に高いです。
前述の通り、靴磨きの専門家も「靴磨きの工程で最も重要なのは汚れ除去」と述べています。
これらの要点を押さえ、大切な靴のケアを進めましょう。