革靴の手入れには欠かせないアイテム、「靴クリーム」と「ワックス」。
この二つのアイテムにはどんな違いがあるのか、またどちらを使うべきか、
正しい使用法について解説します。
皆さんは革靴のケアをどのように行っていますか?
日々の手入れに必須の靴クリームとワックスですが、
その使い方について不安を感じることもあるでしょう。
よくある疑問は以下のようなものです
- 「靴クリームとワックスって何が違うの?」
- 「どちらか一方だけでもいいの?」
- 「SNSで見る使い方がバラバラなのはなぜ?」
メディアによって異なる手入れ方法が紹介されており、これが混乱を招いています。
この記事では、これらの疑問に答えつつ、靴クリームとワックスそれぞれの特徴と、
推奨する使用法を詳しくご説明します。
この記事で学べること
- 靴クリームとワックスの違いと特徴
- 推奨される製品とその使用方法
- 適切なお手入れの頻度と方法
各アイテムの特性を理解すれば、雑誌やSNSでの情報に惑わされることなく、
理想的なケアが行えるようになります。ぜひ最後までご覧ください。
靴クリームとワックスの具体的な違いとは?
靴クリームとワックスは以下の成分で構成されています:
- 油脂
- 有機溶剤
- 蝋(ろう)
これらの成分はどちらの製品にも共通していますが、その比率や主な目的が異なります。
靴クリームは主に革への栄養補給を目的に、油脂が豊富に含まれています。
一方、ワックスは蝋の比率が高く、主に艶出しと保護を目的としています。
製品によっては靴クリームを「ポリッシュ」と呼んだり、
ワックスを「靴クリーム」と表示していることもあり、
この点が混乱の原因となることがありますが、どちらの表現も間違ってはいません。
靴クリームとワックスの違いを理解することで、それぞれの製品を適切なタイミングで使用することができるようになります。
お手入れの基本手順は以下の通りです
- 汚れ落とし:馬毛ブラシやクリーナーで汚れを除去します。
- 栄養補給:靴クリームを使って革に必要な油分と水分を補います。
- 艶出し:ワックスを使って艶を出し、保護層を形成します。
革靴を最適な状態に保つためには、これらのステップを適宜行うことが推奨されます。
ただし、ワックスだけで手入れを終えることはおすすめしません。
靴クリームでしっかりと栄養を補った上で、必要に応じてワックスで仕上げることが一般的です。
革靴のお手入れに適したクリームの種類とその特性
革靴の保護と見た目の向上に役立つ主要なシューケアアイテムについてご紹介します。
- ワックス
- 栄養クリーム
- コンディショニングクリーム
それぞれの製品の役割とメリットについて詳しく説明していきます。
ワックス
ワックスは革靴の光沢を高めるために特化したアイテムです。
主に金属缶に入れて販売されています。
- ワックスの利用目的
-
- 光沢を出す
- 防水効果
- 傷から保護
ワックスを塗ることで革の表面に保護層が形成され、
車用ワックスと同じように革靴に上品な光沢を与えます。
革靴だけでなく、他のレザー製品にも適しており、見た目の美しさを重視します。
薄く数層に塗り重ねることによって、鏡面のような光沢を実現する鏡面磨きも可能です。
ワックスが表面をコーティングすることで、見た目だけでなく、
革靴を水や傷から守る大切な役割を果たします。
傷がついたと思っても、ワックスを落としてみると、
実際には靴本体には傷がなかったということがよくあります。
- ポイント
-
- 主な目的は「光沢を出すこと」
- 外観を美しくし、傷や水から保護する
- 手入れに必要不可欠なアイテムです
栄養クリーム
栄養クリームは革に栄養を与えることに特化したクリームです。
他のクリームやワックスとは異なり、蝋分や有機溶剤をほとんど含んでいません。
栄養を与えることに特に効果的なこのクリームは、
油分や革を保護する成分が豊富に含まれています。
革靴のみならず、他のレザー製品のケアにも使用でき、非常に便利なクリームです。
蝋分を含まないため、光沢がなくマットな仕上がりになりますが、
その分手入れの範囲が広がります。
- ポイント
-
- 目的は「栄養を与えること」
- 乾燥した靴の手入れには特に適しています
- マットな仕上がりが特徴です
コンディショニングクリーム
コンディショニングクリームは、栄養補給と光沢の両方を提供することができるアイテムです。
市販されるものは主に瓶入りで提供されます。
栄養を与えながらも光沢を出すことができるため、バランスの取れた非常に効果的なクリームです。
クリームは色のバリエーションが豊富で、革靴の色に合わせて選べるのも大きな利点です。
乳化性クリームと油性クリームに分かれており、
それぞれの靴の種類や目的に応じて使い分けることが推奨されます。
- ポイント
-
- 主な目的は「栄養を与えること」
- 栄養補給と光沢のバランスが取れています
- 「乳化性」と「油性」に分けられる
革靴用クリームの総まとめ
栄養クリームと乳化性クリームは栄養成分が豊富で、「栄養補給」を重視しています。
一方、油性クリームとワックスは、光沢を出すための蝋分が多く含まれています。
- 補足
- 油性クリームとワックスは水分が少ないため、保湿効果は期待できません。そのため、保湿成分を多く含むクリームとの併用が推奨されます。
靴のケアにおすすめのクリームとワックス
市場には多種多様な靴クリームやワックスが存在し、選ぶ際に迷われる方も多いと思います。
私が個人的におすすめする製品をご紹介します。
- 柔軟クリーム:[M.モゥブレィ] 柔軟クリーム
- 乳化クリーム: [Boot Black] SHOE CREAM
- 油脂クリーム: [サフィールノワール] クレム1925
- ワックス: [サフィールノワール] ビーズワックスポリッシュ
柔軟クリーム [M.モゥブレィ] 柔軟クリーム
[M.モゥブレィ] の柔軟クリームは、「ラノリン」を含む高保湿成分と革を柔らかくする成分を配合しています。
靴の栄養補給とともに、新品の硬い革や靴擦れによる痛みを軽減するのに適しています。
ワックスが含まれていないため、靴の内側でも安心して使用できます。
乳化クリーム [Boot Black] SHOE CREAM
「コロンブス」ブランドの[Boot Black] SHOE CREAMは、シューケア製品として愛好家に人気があります。
オンラインショップや専門店で購入可能で、38色の豊富なカラーバリエーションで、
多くの色の靴に対応可能です。
油脂クリーム クレム1925
クレム1925は、100年近くの歴史を持つ人気の靴クリームで、プロの靴磨き師にも認められています。
2019年の世界チャンピオンシップでファイナリスト全員が使用したことでその評価は確固たるものです。
乳化クリームのように伸びが良いため、初めての購入者にもおすすめです。
ワックス [サフィールノワール] ビーズワックスポリッシュ
[サフィールノワール] のビーズワックスポリッシュは、有害な成分を含まず、天然素材にこだわっています。
使用感も柔らかく、非常に強い光沢を出すことができるため、
多くの靴磨き愛好家から支持されています。
靴クリームとワックスの使い方
靴の手入れ方法に興味がある方も多いでしょう。ここでは、基本的な靴磨きの手順をご紹介します。
靴磨きの基本手順
- 馬毛ブラシとクリーナーで汚れを落とす。
- 靴クリームで栄養補給を行う。
- 豚毛ブラシでブラッシング。
- ワックスを使って仕上げの磨きを行う。
- 山羊毛ブラシで水研ぎとブラッシングを行う。
この手順に沿って、靴を丁寧にケアすることができます。
靴クリームは塗布後、靴全体に蝋の膜が形成されるまで塗り広げ、
豚毛ブラシで均一な艶を出すまで磨きます。
ワックスは下地を整えた後、布に少量を取り薄く何層にも重ねて磨き上げ、
最終的には水だけで磨いて仕上げます。
靴磨きの頻度
靴を手入れする頻度については意見が分かれるところですが、
月に一度クリームとワックスを使うことで十分なケアができます。
多くの人が以下のように手入れのタイミングを管理しています:
- 毎月1回の手入れ
- 8〜10回履いた後に1回の手入れ
- 100時間履いた後に手入れ
これらの方法にはそれぞれメリットとデメリットがありますが、
最もシンプルで取り入れやすいのは「毎月1回の手入れ」です。
細かい管理をすると靴には最適ですが、それだけ手間もかかり、やり続けるのが難しくなります。
まずは月に1回の手入れから始めて、慣れてきたら他の方法も試してみましょう。
まとめ
靴クリームとワックスの主な違いは成分の比率です。
この記事ではそれぞれの違いについて詳しく解説しました。
どちらも基本的に同じ成分で作られていますが、サイトによって推奨される手入れ方法が異なるため、
どれを選べば良いか迷うことがあるかもしれません。
しかし、方法が異なる場合でもそれぞれの特徴を理解していれば、
「あ、このサイトはこういう終わり方をするんだ」と判断できるようになります。
靴クリームとワックスの違いをしっかり理解し、使い分けることが重要です。